三価クロメートとは?ねじの表面処理の種類と選び方

三価クロメートとは、亜鉛めっきの上に施す、三価クロムを使った化成処理(クロメート処理)です。 以前主流だった六価クロメートは、RoHS指令などで六価クロムの使用が制限されたため、現在は三価クロメートが一般的です。亜鉛めっきの耐食性を高め、光沢(銀白色)や黒などの外観に仕上げます。
六価クロメートと三価クロメートの違い
| 六価クロメート | 三価クロメート | |
|---|---|---|
| 環境規制 | 六価クロムがRoHS等の規制対象 | RoHS対応として広く使われる |
| 色 | 有色(黄色系)、光沢、黒、緑 など | 光沢(銀白〜青み)、黒 など |
| 自己修復性 | 傷ついた部分を補う性質がある | 六価より弱いとされる |
| 耐食性 | 皮膜の種類による | 皮膜とトップコートの有無による |
耐食性の要求は、塩水噴霧試験(JIS Z 2371/ISO 9227)で白さび・赤さびが出るまでの時間などで指定するのが一般的です。
ねじの主な表面処理
| 処理 | 特徴 | 主な用途 |
|---|---|---|
| 亜鉛めっき+三価クロメート | 一般的な防錆。光沢・黒などの外観 | 機械・電気機器全般 |
| 黒染め(四三酸化鉄皮膜) | 薄い皮膜で寸法変化が小さい。防錆力は低く、油で補う | 機械部品、六角穴付きボルト |
| ニッケルめっき | 外観と耐食性 | 電子機器、外観部品 |
| ジンクフレーク | 電気めっきでないため水素ぜい化のリスクを抑えやすい。高い耐食性 | 自動車、高強度ボルト |
| 不動態化(パシベーション) | ステンレスの耐食性を整える | ステンレスねじ |
| 陽極酸化 | チタン・アルミの着色や皮膜 | チタンボルト、アルミねじ |
選ぶときの注意点
- めっきの膜厚とねじのはめあい:めっきの厚さ分だけねじ山が太くなるため、はめあい(めっき前のねじ等級)を考慮します。
- 高強度ボルトと水素ぜい化:強度区分10.9以上に電気めっきをする場合は、ベーキング処理やジンクフレークの採用を検討します。
- 色と外観:三価クロメートの色味は処理条件で変わることがあるため、外観が重要な場合は限度見本を取り決めます。
よくある質問
三価クロメートはRoHS対応ですか?
六価クロムを含まない処理として、RoHS対応で広く使われています。RoHSの分析データが必要な場合は、見積もり時にお知らせください。
黒染めと黒色三価クロメートの違いは?
黒染めは鋼の表面に薄い酸化皮膜を作る処理で、寸法がほとんど変わらない一方、防錆力は低めです。黒色三価クロメートは亜鉛めっきの上に施すため、防錆力は高い一方、めっきの膜厚を考慮する必要があります。